24年7月 霧ヶ峰から茅野市上空の天の川
本来「天の川」は8月(古来では秋)の季語ですが、7月7日の七夕は年に1度の織り姫と彦星が天の川を渡って出会える特別な夜のことでありますのでやはり無視するわけにはまいりません。では「天の川」と「織り姫&彦星」とはどんな話か、ざっと簡単にお話しますと⦅天の川のほとりに、天帝の娘「織り姫」が、季節が変わるごとに五色のいろどりで変化するそれはそれは美しい布を織っていました。織り姫は布織りに夢中で結婚を考える暇もありません。そこで天帝は織り姫にふさわしい婿を探そうと考えさっそく探しまわり、牛の世話や畑仕事を休む間もなく精を出して働いている彦星を見つけました。天帝は織り姫の結婚相手に彼を選び、織姫と彦星はとても仲の良い夫婦になりましたが二人は遊んでばかりで仕事をしようとしません。織り姫が布を織らなくなり天帝の服も天の神たちの服もボロボロになってしまいました。彦星も仕事をしなくなったので畑は荒れ放題、牛はやせ細り、ついに病気になってしまいました。天帝が注意をしても二人はまったく仕事をしようとしません。怒った天帝は二人を別れさせるために織り姫を天の川の西へ、彦星を天の川の東へとむりやり引き離し、天の川を渡れなくしてしまいました。織り姫はその日以来、毎日泣き続け、彦星も家に閉じこもってしまい、牛の病気はますますひどくなるばかりでした。そこで天帝は「おまえたちが以前のように真面目に働くのなら、一年に一度だけ会うのを許してやろう」。その言葉に、織り姫と彦星はたいそう喜び、織り姫は以前にも増しても美しい布を織るようになり皆はとても喜びました。彦星も牛を世話や畑仕事の精を出し、牛はすっかり元気になり畑にも豊かな作物が実りました。そして待ちに待った7月7日の夜になると、織り姫と彦星は天の川を渡り一年に一度のデートを楽しむことになりました。⦆ 何?この話。色恋に夢中で周囲が見えなくなってしまったカップルが神様から天罰を受ける。神様にしてみれば自分が二人を結びつけたのに酷いですね。では願い事の短冊は?江戸時代から始まったらしいのですが、7月7日に天の川に鵲(かささぎ)が橋を架けこの橋を渡り二人が会うのですが、曇りの日は天の川が氾濫するらしいです。そこで「二人が無事に会えますように」という願いを込めて笹に短冊を飾るようになったらしいです。日本では笹や竹は霊が宿る(竹藪と幽霊の関係)と言われてきました。願い事を書いた短冊を笹に飾る行事もこうした謂れだと思います。私なりの解釈ですが、自分の事ばかりを考えて生きるのではなく、他人を思いやる気持ちを持って生きれば自分の願いもきっと叶うという事を、この切なくもロマンチックなストーリーに重ねて江戸時代の人は伝えていったのだと思います。