26年10月 十三夜

9月というと「中秋の名月・十五夜」のイメージがありますが、10月にも「十三夜」があります。「十五夜」が完全な満月なのに対して、「十三夜」は「少し完全ではない満月」というものです。完全でなくても月を愛する古の日本人の感性から始まった風習といわれています。その日は栗や枝豆をお供えすることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれています。旧暦では9月13日ですので本年は10月23日になります。                                              私は毎年、周りの人たちの「今日は十五夜だから晴れるかなあー」という言葉を耳にすると、必ず「人恋しと泣けば十三夜~」という歌詞が頭の中に出てきます。高校生の時ギターを始めたのが井上陽水さんばかりでした。レコードと楽譜を買い、ほぼ毎日歌っていました。今でもカラオケでは陽水さんの曲なら結構覚えています。その中の「神無月にかこまれて」の歌をよく歌っていました。考えたことはなかったのですが、荒井由実さん(今のユーミン)の曲にも「14番目の月」がありますね。いわゆる一番美しい満月より一日前の月が好きという事ですよね。なるほど十五夜は欠け始めるので好きではないという心情はよくわかります。古の人たちも「十五夜」を一つの変わり目としてとらえ歌を詠んでいます。その感性は凡人の私には素晴らしいものと感じます。では十三夜はどうかというと辞書ではまだ満月と呼ばないそうです。井上陽水さんは歯科医の長男に生まれました。当時(1968~1977あたり)は日米安保闘争のデモなど学生の事件が多い中、1972年にこの曲がリリースされました。混沌とした世の中で大学受験に失敗し、満月として認められない自分の置きどころが定まっていなかったのだと思います。特に2番の「風がさわぐ今や冬隣り~、逃げるように渡り鳥がゆく~、列についていけない者に~、また来る春があるかどうかは誰も知らない、ただひたすらに風まかせ~」は置いてけぼりになりそうな自分の心情がよく表れていると思います。かの有名なヒット曲「夢の中へ」を生んだ時代にも大麻で逮捕(芸能界大麻汚染事件)されています。これは麻薬捜査官をうたった歌と噂され、執行猶予中は「白紙から再起」を意味すると言われている「white」という歌をリリースしています。形は違えど今の時代によく似た感覚があります。「オンリーワン」という歌が注目されたのも今の時代の予感だったのかもしれません。自分は1番から14番で十五夜でなくても、またそれぞれの段階から欠けていく人も、いつも「オンリーワン」100満点です。地上波では戦争や災害、若者たちの闇の仕事、物価の上昇に加え、とうとう命の糧の水道代まで値上がる暗いニュースばかり流れています。このように息苦しい環境ですが、明るくなるソースを見つけ出し、年代に関係なく100点満点の自分を大事に、この時代を乗り切っていただきたいと切に願います。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です