24年9月 今年は早い収穫です
昨年は全国各地で総雨量1,000㎜を超える大雨が発生いたしました。台風や線状降水帯による大雨で各地では交通機関がマヒし人々の足がストップいたしました。また、お米や野菜、果物などの農作物にも甚大な被害をもたらしました。その米の不作が今年の流通米の減少に影響していると聞きます。8月に南海トラフ地震臨時情報が出た上に、さらに台風が重なり線状降水帯の発生により多大な被害が出ております。これらの報道により災害に備えて買い込み需要が発生したことが原因で米不足という事態を引き起こしているらしいです。我が国は災害大国と言われていますが、とても冷静な判断で行動を起こす国民であると他国から高い評価を頂いております。しかしそれも正しい情報が入ってこそ正しい判断が出来るものです。記憶に新しいコロナ禍での政府による規制や南海トラフ地震臨時情報による観光地のキャンセル誘因、そして今回の米不足も大雨対策の呼びかけによる米の買いだめが不足につながっていると政府は分析しているそうです。農林水産省は「8月は新米の本格的な出荷シーズンを前にコメの在庫が最も少なくなる時期で、新米が流通するようになれば、一部の品薄状態も解消に向かうとみられるので、買いだめなどはせずふだんどおりに米を買い求めて欲しい」と話しています。このようなコメントに何かすっきりしないのは私だけでしょうか。とは言え今年は気候の変動で稲刈りが早まると聞いて少し安堵していますが台風が気になるところです。写真は稲穂の写真(photoAC様提供)ですが稲穂が実る姿を見ると「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉が真っ先に思い出します。実れば実るほど、まるで有難うとお辞儀をするかのように稲穂が垂れ下がる様子を詠んだ句ですが、すでに定年を迎えていますが、昔はよく上司からこの言葉を聞かされました。その上司の生き方を見れば見るほど「年相応に謙虚なふりをすれば出世できるぞという処世術」としてとらえ嫌気がさしていました。しかし定年を迎えるとどうしても昔を振り返る時間が生まれます。これまでの経験から生まれた価値観が正しいと思い込み、いつの間にか傲慢になっていた自分を発見し、あまりの小ささが際立って見え情けなく感じるほどです。今からでも遅くはないと思います。がむしゃらに走ってきた事の美化よりも、まだまだ自分が持ち足りない部分をさらに発見し、それを学び、その数も多ければ多いほど自然に謙虚になっていくのだと、今更ながらこの句を眺めて感じるところです。